フィーゼ島のアリア〜星祭の奇跡〜人気投票3位特典
『本気の意地悪』




「……欲しいな、子供」

「…………は?」

教会のガキ共の定期健診にと二人で来ていて。
それが一段落ついて、がミートやらに絡まれて駆けまわって遊んでいる姿を見ていたら、ついそんな本音がこぼれ落ちていた。

そう、ついうっかりと。

目の前で阿呆面で固まるにくっと吹き出す。

そうすれば、は見る見るうちに耳まで赤くした。

「へ、変な冗談はやめてくださいっ!!」

「なんだよ?俺様は別にそろそろ自分の天才的な遺伝子を残してもいいなぁと思っただけだ。
否、ほら、俺様いつ死ぬかわかんねぇだろ?この多忙極まりない生活してたら」

くくっと鼻で笑いながら、頭をかく。
何を想像したか知らねぇが、慌てている様子のがすっげー面白かった。

「……しかし、それにしても……なんでお前がそんなに反応するかねぇ?
何?俺様との子供でも産みたいのか?……つまり、そういうことがしたいって?」

「なっ?!なななななな……っ、先生ーっ?!」

最後のほうは耳元でわざと囁いてやったんだが、予想以上に叫声を上げてきたので、頭に響く。

周りにいたガキどももびっくりした顔でを眺めていた。

で、動きがロボットみたいにぎこちなくなている。


あぁ、本当に。
マジでこいつは、こんなにも愛らしいんだろうな。

「……ははっ、悪かったって!!」

頭をポンポンと撫でてやってから、俺は白衣を翻して診療所に向かって歩くことにした。

数歩遅れでも付いてくる。


後ろをちらりと確認すれば、いまだ真っ赤な顔を下にうつむかせて歩いていた。

「……なぁ、

「……は、はい?!」

グラッチェ通りの路地裏に連れ込むようにの腕を引いて。

そっと壁にの身体を押し付ける。

逃げられぬように自分の腕で囲んでから、じっとを見つめてやった。

「……せ、先生?」

緊張しているのか、声はどこか上ずっていて。

それも余計に俺の内側の熱を上げる一方で。

「……その気があるなら、お前、孕めよ?俺の子」

「……っ」

塞いだ口から返答が返ってくることがなかったが、ぎゅっと閉じられた瞼と俺の背中に回された手をその答えだと受け取っておく。


今回ゼア先生が三位ー!!
おめでとう、先生!!

ゲームでのスチルでわかるくらい、先生贔屓ですよ!この制作者!!(爆死)

子作りのお話でした(ぇ)