フィーゼ島のアリア人気投票特典ドリーム小説
『桜の君リリアトス』



『ひらひら。
ひらひら…。桜が舞う…。
そうずっと遥か昔から。
君と俺が出会う…、ずっとずっと…遠い空の下の約束』

(遠いお空にいるおじいちゃんへ…。今日もフィーゼ島は平和です♪)
白い雲のゆったりとした流れを見つめながら、は満面の笑顔を浮かべる。
夢のような出来事が続いて、それはにとって幸せな日々。
左手の薬指に光る白い宝石が太陽の光に反射して輝いた。

!!
こんなところにいたんだ!…ねぇ。子供を作っちゃわないかい?」

「…は?」
愛する人の台詞にさすがに『は?』という間抜けな返答はないだろうと自分でも突っ込みながら、は呆然と走ってやってきたリリアトスの表情を見つめた。
リリアトスはまるで気にもとめるような様子はなく、満面の笑顔のままを見つめている。
「…子供が欲しいっていうこと?」
それ以外には取れなかったが、自分の夫が突然突拍子もないことを言い出すので、は念を込めて返した。
「うん」
満面の笑顔のまま、彼は首を縦に振る。
その首の動きに合わせて、彼のガラス細工のピアスが小さな音を立てて揺らいだ。
「…えっと、でも」
はその笑顔につられて微笑みながら、少しだけ頬をピンク色に染める。
それを見たリリアトスはその表情の変化が愛しいのか、ぎゅっとを抱きしめた。

実は、リリアトスとはまだそういうところまではいってはいない。
結婚式の夜は二人とも、疲れていたのかほぼ同時に同じベッドの中で眠ってしまっていた。
それにその次の日は貴族たちやらのあいさつ回りで忙しく、またその次の日はリリアトスの即位式があったりと色々と大変だったのだ。
その為、二人はお互いを知らないままだった。

「…ねぇ、。…恐い?」
二人の寝室に入って、ベッドに腰をかけながら、リリアトスはの髪に触れた。
は小さく首を横に振って、彼を安心させるかのように微笑む。
その微笑みにまた彼女への愛しさがこみ上げてきて、思わずリリアトスはの唇を塞いだ。
優しいキス。
ほんの少し桜の花の香りがするキスだった。
「…優しくするから」
甘い囁きのようなものがに降ってくる。
そっと、柔らかいベッドの上に寝かせられて、は一度深呼吸をした。
やっぱり、リリアトスの香りは桜のような香り。
それが甘くて、切なくて、それでいて…どこか安心する。
「ずっと…一緒に」
は両手を伸ばしてリリアトスの背中を抱きしめた。
「…うん。一緒に居るよ。ずっと…。永遠に」
リリアトスが言葉を返しながら、優しく微笑む。
「あぁ…そうだvまずは君の白い肌にいっぱい桜の花弁をいっぱいつけよう」
「んっ」
満面の笑顔で、リリアトスがの身体中に唇を触れていく。
少しだけ強く吸って、彼女の白い肌に痕跡を残していった。
それは桜色の花弁。
二人の愛の証。
「…誓うよ。君も、俺たちの子供達も、皆幸せにするって」

『ひらひら。ひらひら…。
舞う桜の花弁たち。
その花弁の数が君への愛の証…』



あはははっ(遠い目)
うぅ。リリアトスさん、少々子供っぽくなりましたか?(ぇ)
すみません。ちょこっと純情なお二人を書いてみましたv(ぉ)
…お気に召されましたら、嬉しいです〜☆(猛スピードで脱兎)