『君に捧ぐ生死』


ふと気づくと年月は経て
何も変わってないようで物事は常に変化していく

はらりはらりと散る涙を隠して
羽衣に包まれながら二人そっと濡れよう
さらさらと流れる君の髪を梳かして
葉隠れ遊びを悪戯に始めよう

夕闇に堕ちる長い影
ベッドに沈むのは君の躯
骸はやがて土へと還り
記憶も何も残さぬまま消えていく
恐ろしくて朝を避ける
俺は夜露に生きていたい

ひらりひらりと舞う蝶を掴まえて
花蜜に宿りながら二人しっとり濡れよう
ぱらぱらと捲る君との思い出見て
歯車の螺子を悪戯に壊そう

朝露に伸びる短い雫
ベッドにまどろむ君の横顔
瞼はやがて静かに開き
追憶も何も浸る間もないまま終わる
悲しくて夜に逃げ込む
俺は夢幻に生きていたい


ふと気づくと年月は経て
何も変わっていないようで君は綺麗になっていく
俺は静かに君に捧げよう
最後の愛を
最大の生死を